第3回【公開】マクロビオティクわの会@ZOOMを開催しました

2020年11月29日に「第3回【公開】マクロビオティクわの会」をZOOMにて開催しました。テーマは「生活の中でのマクロビオティックの疑問に答える」として、女性3名のパネラーがそれぞれの経験と知見をもとにした“生活術”としてのマクロビオティックについて考え、すべての人がどれだけ健康で幸せに生きることができ、平和に行き着くための具体的な策を考える会とした。

開催日時:2020年11月29日(日)10:00~12:00
【参加者】
パネラー:磯貝柚佳里、千葉芽弓、橋本ちあき
ファシリティター: 橋本宙八
岡部賢二、斉藤武次、櫻井裕子、桜沢珠紀、千葉芽弓、中島デコ、永井邑なか、長崎希妃子、吉度ちはる(50音順)
一般参加者:計37名(含、録画視聴)

 

パネラーの3名のプレゼンテーション

 

磯貝柚佳里

6人の子を自宅出産、群馬県富岡市で育てをしながら「マクロビオティック和道」の道場の女将として、磯貝昌寛と二人三脚で1万人以上の半断食や病気や食せん指導をする

出産は第二子までは助産婦さんの助けを借りたが、第三子からは自力で自然出産をした。いつ生まれてきてほしいとお願いするとちゃんとその時間帯に生まれてきてくれた。
母と子のへその緒を通じてのつながりの強さをひしひしと感じた。
第一子の長女は厳格なマクロビオティックの基本食で育てたため陽性すぎていたが、大森一慧先生の一言で軌道修正をした。

■子育ての中で“マクロビオティック”とか”陽性・陰性“という言葉は一切使わなかった。

親の主観の押し付けでなく、肌で感じてもらうことを何より大切にし、生活の自然な流れとして感じてもらうようにした。

■世間との違いについて

性教育などが始まる4年生頃になると世間との違いや、給食が食べたいなどの主張が始まる。そんなときは、どうして給食でないかをしっかりとわかる言葉で伝えた。
実際に給食を作る現場を見学にいったときの話をし、「お母さんはあなたたちを愛しているから給食を食べさせたくない」と心で伝えた。

■マクロビオティック育児をした子たちは大きな病気もなく育っている

何度かケガはあったが自然療法で傷跡一つ残らずに治っている。備わる自然治癒力は素晴らしく、信じることが大切。

 

千葉芽弓

東京でベジフードプロデューサーとして飲食店やメーカーの安心安全な商品やメニュー作りのコンサルティングやプロデュース、「Tokyo Smile Veggies」や「Vegewel」等メディアでの発信・啓蒙を通じてマクロビオティックを伝える

食事は「からだ」と「こころ」を育てる ~働く忙しいひとたちへ~をテーマに東京で働く人たちの典型的な代表として、マクロビオティックとの出会いから人生の変化・脱サラからの転換の話と、食の現場での気づきと課題についてのプレゼンが行われた。
晩婚化、未婚化、少子化など都心部を中心に深刻な日本。
未婚率は男性が約3割、女性が約2割となっており、少子高齢化も深刻である。
企業の中で働く人々は様々な抑圧により、本来の自分を生きれていない人が多い。心の“締まり”から偏食や甘いものを止められないなどの悩みを抱えている人も多く、自身もその一人であった。その経験からの脱却と、からだが変わると心と行動が変わり、人生が変わることを実体験を基にトーク。

■食の問題とマクロビオティック

◇6つの【こしょく】の問題
孤食、個食、固食、粉食、小食、濃食
・食はコミュニケーションツールであり、親や祖父母から食卓で様々な教育を受けていた。
(社会性、協調性、感謝心、マナー、日本の伝統継承など)
・同じ釜の飯、共食こそが社会適合する人間性を育てる。
夫婦や家族は手作りの同じものを食べることで心の絆ができる。
・味覚や食性は10歳ころまでに決まる
・非行・問題児は食事が比例。10~39才の死因1位は自殺。

◇マクロビオティックはウェルネスでエコでサスティナブル→社会問題の解決へつながる
<一物全体>
自然栽培やオーガニックなどの野菜や穀物を中心に自然なものを、食材は皮や根も丸ごと余すことなく頂く。
→フードロスやごみの軽減、生活習慣病予防、飢餓問題への貢献、畜産による環境負荷軽減
<身土不二>
身体と土壌(環境)は繋がっていて切り離せない。生まれ育った土地で作られたり採れるおのを季節や環境に合わせて食べる。また環境を汚さない暮らしと買い物をする
→地産地消による輸送コスト削減、食料自給率の向上、生態系や海や森を守る
<陰陽調和>
ものや事象すべてを陰と陽で相対的にみて、季節や体質、体調、環境などに合わせてバランスを考えて常に調和を意識して食べたり暮らす
→心身を健全に保つ、免疫力を高め未病ケア、自然治癒力を引き出す、社会や組織をよくする

◇いきがい(Ikigai)について
“何歳からでも道は開ける。”
生きがいとは、「好きなこと」「得意なこと」「社会の役に立つこと」「必要なお金が稼げる」
この4つが満たされて成り立つもの。
出来ることから無理なく、そしてそれぞれの「生きがい」を見つけよう!


 

橋本ちあき

マクロビオティックを実践し50年以上、3世代目までマクロビオティックを実践。橋本宙八とともに福島~京都にて断食道場を営む傍ら自然に寄り添ったほぼ自給自足、持続可能な暮らしを50年実践する。

マクロビオティックは誰にでもできて素晴らしいものである反面、やり通すのはとても難しく、実践でしか確かめられないもの。自分で確かめてみたいと思い続けてきた。
自宅出産した41歳~35歳の5人の子供たちはみな結婚し社会人となり皆仲がよい。
孫は6歳~9カ月まで5人。必然で娘たちも自宅で自然出産し母乳のみで育児、マクロビオティックで育っている。
とても育てやすいHappy Childである。
三世代目のマクロビアンが育つ姿を、人が人として育つのがどういうことかを見ながら、“人が健康と幸せを作る”という桜沢先生の言葉を噛みしめる日々を送る。

■続ける中で誰もがぶつかる4つの壁とその対処について

マクロビオティックで心と精神性を育てることが一番大切である。
何を食べる・食べないではなく、人間の精神性の成長にどう役に立つかが重要であり、知識を押し付けない。
からだを通して、感覚を通して感じてもらう。
問題にぶつかったときは一つ一つ丁寧に対処していくことで親子の信頼が生まれる

1.食を変えるときの葛藤
真面目に取り組むほどに自己嫌悪や自己否定のネガティブな感情が生まれやすい。
自己肯定を積み上げる。我慢や達成を自分でほめてあげる。

2.食への執着や欲望が強くなる
立ち止まってマクロビオティックでどう生きたいかを考える。
“べき”だと言う強迫観念は自分で創り上げているものであることを俯瞰してみる。
楽しめることをチョイスする。楽しんで続けられることが大切。

3.社会的な対応がストレスになる人を言葉で説得できるとは思わない。自らが態度と行動で醸し出す。姿を見せることで相手から興味を持ってもらえる。
食事で人と社会との壁は絶対に作らない。
子供は鏡であり親の心が映し出される。

4.家族や子供への食育の壁にぶつかる
子供をどういう人間に育てたいかを考えることで指針になる。
安全・添加物なしが大前提で、10~12歳までに味覚、人格を形成させる
“我が家”の食事を根付かせる
他と比較しない。他者を認める。

まとめ

私にとってのマクロビオティックは「生き方」
学びの宝庫であり日々の暮らしの中にすべての答えがあり、人生を“味わう”ものである。

各々のマクロビオティック人生を探求し、身体のことだけでなく、人間性・精神性・心の成長を観察し、結果として社会にとって大きな貢献をしていけるのではないかと思う。

 

■参加者の皆さんからの質問に答える

その他、砂糖について、いただきもののお菓子について、隠れ食べについてなど参加者の皆さんからの質問をもとに参加したわの会メンバーでトークセッションが行われた

第3回目の「【公開】マクロビオティックわの会」に参加いただいた皆様、そして寄付いただいた皆様、ありがとうございました!
次回の公開わの会は2月を予定。詳細決まり次第お知らせいたします。